いきなり結論ですが、結婚相談所の開設にあたり特別な資格は必要ありません。
結婚相談所のみならず、婚活ビジネス全般通して不要、と考えて良いです。
というのも、開業後にスキルアップ・知識習得する機会があるからです!
結婚相談所を開業する場合、たとえばIBJなどの「連盟」に加盟するのが一般的です。
その際、各連盟において独自に行われる講習を受講・修了する必要があるケースがほとんどです。
この講習では、内容こそ各団体によって違うものの、カウンセリングや運営の基礎知識から関連法令、集客方法まで、幅広く学ぶことができます。
つまり、完全初心者でも全く問題なく運営できるのが結婚相談所なのです。
開業後の運営については、事業主・カウンセラーの知識・経験・スキルにかかっているといえます。
では、どんな知識・経験・スキルを持っていると、より有利に結婚相談所の運営ができるのでしょう?
この記事では、結婚相談所を開業・運営するにあたって役立つ資格や知識・経験を中心に解説していきます!
婚活ビジネスを開業・運営するうえで磨いておくべきスキルと知識
基本的には加盟料や月会費・システム使用料を支払えば、自宅開業することも可能です。
「誰でも始められる」からこそ、その後の運営には工夫と努力が大切。
数ある結婚相談所の中で差別化をはかり、選んでもらうために必要なスキルと知識を説明します。
ビジネススキル
当然のことですが、ビジネスマナーや社会人としての常識は必要です。
婚活をする会員のさまざまな情報を聞くため、個人情報や機微情報を適切に管理する意識を持たなければなりません。
また、普段の業務はパソコンやスマートフォンで行うので、基本的な操作スキルがないと困ります。
遠方の会員とはZoomやSkypeを使いカウンセリングをすることもあります。
婚活会員とは日常的にLINEなどでメッセージのやりとりをしてコミュニケーションを取り、フォローしていくことも大事です。
つい忘れてしまいがちなのが、結婚アドバイザー自身の外見や立ち振る舞い。
だらしなく見えてしまうようでは、会員やほかの結婚アドバイザーに信用してもらえず、説得力にも欠けてしまいます。
普段からしっかり清潔感をだせるように心がけたいものですね。
機微情報とは
取り扱いに細心の注意が必要な個人情報のことです。たとえば宗教、人種、持病の有無など。
あくまで任意ですが、カウンセリングの際に会員本人から聞いた情報などを指します。
コミュニケーションスキル
仲人(結婚アドバイザー)としてお見合いに同席もするので、そのときにはお見合いの司会進行のような役目をはたします。
緊張している2人がスムーズに会話をできるようなサポートが必要となってきます。
仲人どうしで会員のお見合い日程調整や交渉をすることもあり、コミュニケーションスキルは必須だといえるでしょう。
先輩仲人との人間関係も大切です。
人脈をひろげると自会員と他会員とのお見合いを組みやすくなるだけでなく、最新の婚活情報を知ることができます。
他社(ほかの結婚相談所)の会員とお見合いをセッティングする際には、仲人が2人(自社 + 他社)同席することがありますので、先輩仲人のテクニックを参考にして覚えていくといいでしょう。
仲人と結婚アドバイザーの意味の違い
「仲人」と「結婚アドバイザー」はほぼ同じ意味で使われることが多いです。
中には法人として結婚相談所を運営しており、カウンセリングを担当する結婚アドバイザーと、お見合いに立ち会う担当者(仲人)をわけている事業所もあります。
独立して間もない結婚相談所や、副業で運営する結婚相談所の場合、両方の機能を1人でまかなうことも多いでしょう。
したがって、両者をくっきりと区別する必要性はあまりないと考えて良いです。
カウンセリングスキル
自分の結婚相談所に興味をもってくれた人と最初に会うときも、会員になったあともカウンセリングはとても重要です。
まずこのスキルを向上させていかないと、そもそも入会をしてもらえません。
その後もできるかぎりこまめに連絡を取りフォローしていかなければ、会員の満足度が下がってしまい、最悪の場合は途中退会してしまいます。
婚活をしている会員が求めていることやお相手に望むことを正確に把握し、お見合いにつなげていきましょう。
お見合いや交際は楽しいことばかりではなく、苦労したり悩んだりするため、その都度メンタルケアをしてあげることができれば信頼関係ができ、トラブルも少なくなります。
プロデューススキル
入会した婚活希望者に最初にしなければいけないのは、その人のプロデュースです。
まずは写真の撮影、プロフィールの作成、会員本人のコメント、結婚アドバイザーから見た会員のPR文などを婚活専用のネットワークに登録します。
ここでは「写真」が最も重要。
人間の性質として、やはり視覚的なインパクトは大きいようです。
会員の年齢、職業、年収、婚姻歴があるかどうかなどの表面的な部分は変えようがありません。
それにくらべ外見的なことはすぐにでも改善できます。
髪型・ファッション・姿勢・メイクを変えるだけで、別人のように見ちがえる人も。
とくに恋愛経験が少ない男性は自分の見た目に無頓着な人も少なくありません。
そういう場合は一からアドバイスをして、その人の持つ魅力を最大限に引き出してあげたいですね。
お見合い写真を得意とするフォトスタジオも紹介できればベスト。
その後は外見だけでなく、婚活やお見合い、デートでの振舞い方を教えていくこともあります。
婚活業界では外見も重要
同じ人でも、プロフィール写真を自撮りからプロのカメラマンに撮影してもらった写真に変更しただけで、お見合いの申し込みが増えることは多々あります。
会員には写真がいかに大事かを説明したうえで、婚活写真に特化したスタジオをすすめましょう。
恋愛経験が少ない会員にはデートの仕方から指導
年代に関係なく、異性との交際経験がない人もいます。
そのような場合はていねいにアドバイスをしてあげることで、交際がつづいて成婚となりやすいです。
男性会員には女性への気づかいやエスコートの仕方を、女性会員には食事をごちそうになったときのお礼の仕方など。
マーケティングスキル
結婚相談所を開設したばかりの人が、最初に直面する課題が会員の獲得です。
最初の1人を獲得することができずに廃業してしまう人もいます。
そうならないために常にアンテナを張り、婚活にかかわる情報を得ていきたいものです。
インターネット、SNS、人脈などすべてを使いリサーチ・ターゲット層を決定・ブランディングします。
結婚相談所の料金設定は運営者が独自に決めることができますので、まずは自分の特長となるものを探し、PRをしていきましょう。
異業種交流会に参加して情報交換をしてもいいですね。

結婚相談所のホームページは必須
会員になるにはそれなりの費用がかかり、結婚という人生の大事なイベントを任せることになります。
一概にはいえませんが、ホームページがない事業所は怪しく思われることも。
声を大にして言いますが、インターネットからの集客はとても大事です。
ほとんどがWeb経由で会員を獲得している相談所もあり、ポスティングなどのアナログな宣伝より効果があります。
内容を充実させてお問い合わせフォームを設置し、問い合わせ先も明記すれば効果的です。
できればSNSやブログも活用したいですね。
婚活についての知識
結婚相談所には20代から70代以上まで、幅広い年齢層の人が登録しています。
その年代に合わせた婚活を提案するためには、情報収集が欠かせません。
たとえば20代の会員なら、結婚と同時に入籍して家庭を持って…と考えている人が多いですが、高齢の人だと事実婚や通い婚を希望されることもよくあります。
そういったニーズを知っておくことが大事だといえるでしょう。
結婚アドバイザー自身に恋愛や婚活、実際の結婚や育児の経験があれば、会員からは心強く感じてもらえるはず。
実際、自身が結婚相談所を利用して成婚したのち、「こうしてくれたら良かったのに…!」という経験をもとに、自身で独立・開業される方もいらっしゃいます。
結婚相談所の運営は既婚でなくてもできる
結婚相談所を運営するにあたって、「既婚」でなければならないと考える人は少なくありません。
しかし、それは間違いです。たとえば、20代独身でも結婚相談所を開設して成功している人もいます。
もちろん、その場合は代わりになるスキルや経験が重要となるでしょう。
婚活ビジネスを開業・運営する際に役立つ資格と経験
ここでは、なくても困ることはないけれど、あれば役に立つ資格や経験を解説していきます。
婚活業界とはまったく関係がないように思えても、意外なところで活用できることも。
自分にはどんな長所や得意なことがあるのかをよく考えてみると、役立つスキルがあるかも知れません。
心理カウンセラー資格
結婚相談所に入会していざ婚活を始めると、理想と現実のギャップで悩んでしまう人がいます。
がんばってお見合いや婚活パーティーに参加しすぎて「婚活疲れ」に陥ってしまうことも。
お見合い、交際、成婚退会と順調にいったとしても、マリッジブルーになってしまうこともありますね。
そういった会員のフォローやメンタルケアができるのは強みになります。
理容師/美容師免許、カラーコーディネーター資格
自分の見た目に関心が薄い人もいます。
そういった会員に対して専門的なアドバイスができるのは有利です。
第一印象がよくないと、そのあと好印象に変えることは難しいので、お見合いで失敗しないように魅力をアップさせてあげたいですね。
メイクアップアーティストなどの美容系スキルがあれば、女性向けのメイクアップ講座もできてイベント企画や集客につなげることも可能になります。
飲食店の経営
飲食店を経営しているなら、それだけでほかとの差別化をはかれます。
自店舗での婚活パーティーを企画したり、常連客に宣伝することができるのでたくさんのメリットがあります。
集客やイベント時にとても便利ですね。
教員免許や家庭教師の経験
会員をプロデュースしようにも、素直に受け入れてくれる人ばかりではありません。
そういったときに人に何かを教えた経験やスキルがあれば、うまく指導していくことができます。
またお見合いのキャンセルなどのトラブルをなくすためにも、ある程度はこちらの指示にしたがってもらわなければいけません。
自会員の失敗は結婚アドバイザー、その結婚相談所の責任とされますので、日ごろからルールを守ってもらうようにしていきたいですね。
接客やサービス業の経験
たくさんの人と接する仕事やサービス経験があれば、人を見る目が養われます。
お見合いをする2人の相性が合っているか、相手はどんな人なのかを分析できたり、洞察力がすぐれていたり。
そうすると相性がよさそうな2人のお見合いをセッティングできるので、交際や成婚につなげやすくなります。
また人当たりがよく礼儀正しい対応には誰しも好感を持ちます。
会員はもちろんのこと、ほかの結婚相談所とも良好な関係を築いていきやすいスキルはあった方がいいですね。
占い師
占いができればイベント開催や女性会員を獲得することに役立ちます。
実際に四柱推命や風水、手相鑑定ができ、結婚アドバイザー兼占い師の人もいます。
会員へのサービスとして無料占いを提供できるのも強みです。
まとめ|結婚相談所は無資格でも運営可能!自分の強みを生かすともっと成功に近付ける
結婚相談所の運営には、解説したような知識とスキルを磨いていくことが重要です。
必須のスキルはもちろん、独自のサービスを展開していくためにはプラスアルファがほしいところ。
婚活業界とは関係なく思えても、意外なところで役立つスキルもご紹介しました。まずは自分自身の個性や強みをPRしていきましょう。
加盟した連盟の研修、会議、交流会には積極的に参加し、学ぶ姿勢を持ちつづけることも忘れずに。
ほかの運営者と交流して信頼関係を築いていくことで、いろんなことを教えてもらえます。
特に、IBJはこのあたりのサポートが手厚いのでおすすめですよ。
会員のお見合いにはできるだけ同席して経験を積んでいきたいですね。
常に自分自身をアップデートしていく意識があれば、それが自分だけの強みになるでしょう。
まったくの初心者からでも飛び込める結婚相談所運営、ぜひチャレンジしてみてくださいね。